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原動力付き自転車の真価とは

燃料はガソリンだけじゃない

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本日もお読みいただきまして、誠にありがとうございます。

 

原動力付き自転車なんてねぇよ! と、思わないでいただければ幸いです。

だって。

正式名称「原動機付き自転車」である排気量わずかに50㏄の二輪自動車は、秘めているものが違うのですから。

今でこそ大型自動二輪車に跨り、気が向いたときにエンジンをかけ、走り出しているわけですけれど……やはり、原付とは違う。

 

しかし。

当たり前だろ! と思うなかれ。

原動力とは、自ら捻出するものです。

原動機と違う意味は、そこにあります。

 

皆さんも、初めてエンジンが着いている乗り物を操ったときのことを思い出してみてください。

自動車学校で助手席の教官といろいろと話しながら、レクチャーされながら握ったハンドル。

 

無事普通免許を取得し、自分だけの力で握ったハンドル。

同じハンドルでも、となりに誰かいるのといないのとでは安心感に開きがでてきます。

そして排気量云々を除けば、エンジン付きの車両は大概が非常にパワフル。

教習所でしか運転していなかった車両とは、教習所卒業を機に離ればなれに。

おぼつかないアクセルワークと、ハンドリング、ついついよそ見をしてしまうような高揚感。

 

教習中とはいえ、世話になったであろう教習車とはお別れが待っています。

代わりに待っていてくれるのは、自分だけの車両。

教習車とはひと味違う自分が自分の力だけで操る乗り物を手に入れるまでには、各々紆余曲折あって然るべき。

免許取得と同時に車やバイクを買う人もいれば、ペーパードライバーを目指す人(笑)だっているわけです。

 

日本では原動機付き自転車と普通自動二輪車は16歳から、普通車と大型自動二輪車は18歳から取得できますが、車両をその手にするタイミングは様々です。

僕は四輪より二輪に跨がり、GTO鬼塚のようにネイキッドを駆りたかったので普通自動二輪免許を取得してすぐにバイクを買いました。

そう、なぜかビッグスクーターをw

しかしこいつに乗ったからこそ、排気量のでかいバイクに目を輝かせました。

 

実は、グレートティーチャーに憧れたのは時系列的にこのあたりです。

ビッグスクーターはヤマハのマジェスティに乗っていましたが、当時は空前のビグスクブームでした。

 

街ゆくバイクの大半が、ローダウンシートに剥き出しカーステレオ、けたたましいマフラーを搭載したカスタムビッグスクーターでしたね。

そこに影響されたわけではないのですけれど、僕にとってビッグスクーターはまるで魔法にかけられたみたいに魅力的だったんです。

 

ここでようやく、原動力付き自転車の登場ですよw

 

何を隠そうビッグスクーターの魔法の前に、原付の魔法にかけられていました。

言わば、魔法の上乗せみたいなものですね。

基本的に魔法の重複は認められていないので、先にかけられていた効果は打ち消されてしまうのですが、僕の場合はそうなりませんでした。

 

こいつがあれば、どこまでもいける!!

 

魔法にかけられた僕は、自ら呪文をつぶやきました。

辛くて死にそうになったから、自らに活を入れるために発したわけではありません。

ある意味、好機でしょうか。

 

原付を初めて手にし、原付講習所で習ったこと以外に知っていることはない知識の中で、僕に新しい便りがやってきてしまったのです。

初めて公道に出た瞬間。

 

つたないアクセルワークとブレーキングで、数十倍の排気量を持つ化け物どもが滑走する日本国道に飛び出した瞬間。

 

右手をひねるだけで、マイ原付は燃料がつきない限りは進んでくれるという、バーストしかけの安心感。

 

これほどまでに世界が変わった瞬間は、いまだかつてないくらいに新鮮でした。

初めての走行は怖い……そう思っていたはずなのに、数分後には無敵になったかのような感覚。

この感覚は、自らの原動力をエンジンという情熱を帯びた鉄の塊にトレースさせ、生み出す変換の力なのだと気づいたときには、もう遅かった。

いつの間にか、大型自動二輪免許取得してましたw

大型自動二輪取ったのは、二輪車にとって大敵な季節の冬でした。

 

が、このときはラッキーでその年の冬は雪が全然降らなくて教習も順調に進んでくれたんですよね。

たぶん、神様が降雪止めとくから大型自動二輪はよ取れ、って導いてくれたのかもw

 

かくして。

 

原付で原動力を手に入れた僕は、それをさらに高めるために自動的に排気量フリーの免許を取得してしまったのです。

これ、いつも思うんですけど大型自動二輪免許って完全に趣味免許というか道楽免許ですよね。

普通自動二輪は普通車のオマケについでに取得する人もいるようですが、大型自動二輪に至ってはなんとなく取る免許ではないですしね。

 

まさしく何かしらの原動力なくしては、取ろうなんて気にはならないのではないでしょうか。

 

原動機付自転車で得た原動力は、乗り物を動かす力だけではないと閃いてしまったとき、バイクの楽しさは2倍にも3倍にもなるんだと思います。

思い出の原付も数年前にガタがきたことと引っ越しを理由に手放してしまいましたが、原動力で取得した二輪最上級免許は生きています。

現在の相棒とグレートティーチャーらしからぬ、絵に描いたような安全運転で公道を走れる喜びがありますからね。

バイクは雨風も凌げないし、夏は暑いし冬は寒いしリスクのある乗り物かもしれません。

しかしそこには、原付だろうと250ccだろうとリッターバイクだろうと、乗った人にしかわからない原動力がついているんです。

 

気ままな原動力が。