俊敏な移動を可能とする体躯は諸刃の剣
本日もお読みいただきまして、誠にありがとうございます。ゲシバイヌと申します。
今回は、バイクについてのお話を。
原付、普通、大型問わず、エンジン付き二輪車はバイクとして話を進めさせていただきます。
ちょっと、危ないなーと感じたこと、そして体験談を交えて記事にしようと思っております。
車を運転中、「あの原付危ないなー」とか思ったことはありませんか?
二輪車は四輪車と比べて、圧倒的に体格が小さい。
なので、車の間をすり抜けてショートカットができてしまいます。
道路交通法上では、すり抜け行為は明確な違反ではないらしいのですが、つい先日嫌な思い出が蘇ってしまったんですよね(^_^;)
僕は学生時代に原付も大型バイクも乗っていましたが、すり抜けはほとんどしたことがありませんでした。
公道を走っていると、原付は特にすり抜けして当たり前みたいなところありますよね。
学生時代の友人が、これで痛い目にあってしまったのです。
大体の場合、原付は左車線を走っています。
さらに最左の空間を利用し、信号待ちの先頭車両まで躍り出るのがすり抜け。
あるいは、少しでも通れる空間があれば、我先にと車の間をすり抜ける。
一番左の空間を使って事故を起こしてしまったのは、友人の操作ミスではありません。
あれは、判断ミスです。
あのとき、普通に後続車両にひっついて交通の流れに則って走行していれば、救急車で運ばれることもなかったのに……。
あの日は快晴も快晴で、当時原付しか乗っていなかった僕は、数日後にロングツーリング(得意の原付旅w)を控えていました。
そんな晴れ間も曇点に変えるほどの事件は、突如としてやってきました。
授業も終わり、その日は確かもう授業がなかったんです。
友人と帰り道が同じなので、途中まで一緒に帰ろうということになりました。プチツーリングみたいなものです。
僕はJOG(50㏄)、友人はFTR(250㏄)に乗っていました。
ところが、エンジンの調子が悪いということで先に僕は走っていることに。
まもなくして、FTRは調子を取り戻したのか、JOGのミラーに走り出したとのサインが映る。
おおー、走り出した走り出した、と僕はそのままアクセルを開けました。
そして、信号待ちしている友人のFTRとどこかの業者の車が並んで信号待ちに。
FTRが若干、ほんの少しだけ後ろでしたが。
いつまで経っても、友人は走り出しませんでした。
異変を感じた僕は、速攻でUターン。
業者の車から運転手が出てくる。
現場に着いたとき、血まみれの友人が見たこともない姿で呻いていました。
二輪も四輪も走る凶器
信号が青になり、発進したと同時に業者の車は左折、FTRも発進し、死角でありつつ左にいたため存在に気づかれず発生した、巻き込み事故でした。
真後ろにいて、発進していれば起こらなかった事故だったでしょう。
恐ろしいのは、スピード。
発進したばかりですから、スピードなんて出ていません。
出ていませんが、血が出ています。
FTRはクラッチレバーが折れ、車体も大部分ではないにしろ損傷。
クラッチレバーが見つからない。
折れたレバーは、友人の口の中に刺さっていました。
顎のほうからハンドルバーへ圧力がかかり、業者の車に押しつぶされた形ですね。
強烈な光景でした。
たった1回の判断が、悲劇のルートへと誘う車両の重さというものは、あまりにデカいです。車両総重量以上の重さが、ドライバーやライダーにはのしかかっているのではないでしょうか。
救急車を呼び、友人はすぐに病院へ運ばれました。
いても立ってもいられなくなった僕は、その日バイトだったのですが、交替してくれる人を捜し、運良くヒット。
理由を告げて、僕は友人のかつぎ込まれた病院へ急ぎました。
心配で仕方がなかった。
あんな目に遭った友人がどんな風になっているのか?
病室へ向かうと、意外と元気でしたが、疲れ切っているのは丸わかり。
会話もそこそこに、緊急手術が終わるのを1人で待っていました。
縫合などを終え、面会が可能になるともうすでに夜でした。
お大事にと言い残し、帰路につく僕。
その日から、すり抜けはしなくなりました。
余裕のある運転を心がける
安全面を考慮すれば、二輪車は危ないかもしれません。体が出ているわけですし、何かあれば友人みたいに酷いダメージをくらってしまうのは目に見えています。
ですが、バイクは安全に乗れば安全で、それは車だって同じこと。
交通ルールを100%遵守している人なんて、そんなにいないでしょうが、ルールは従って損のないように作られているはず。
焦ってスピードを上げがちですが、同じ道を走っている場合、結果的にそこまで所要時間に差が出てくるわけではないと思います。
スピードが欲しいのなら、余裕のある排気量のバイクや車に乗れば、一度のアクセル操作で十分な加速が得られます。
今思うのは、すり抜けするくらいなら速いバイクに乗って颯爽と公道を駆け抜けていったほうがいいんじゃないか? みたいな考えが、当時の僕から生まれていたのかもしれません。
ちょこまかと動くということは、俊敏性に優れている証拠を体現していますが、愚鈍ながら巨大なものは進行を妨げるほどの力強さを持っています。
トラックと正面衝突したバイク。
これなんか現場を見なくても、バイクが木っ端微塵になる画が浮かび上がってくる。
パワーのある車両は軽いアクセルワークで、回避、移動ができます。
かといって、スピードを出しすぎていいわけじゃない。
反対にパワーのない車両でも、無理な運転をすれば事故に繋がってしまう。
パワーはパワーでも、ドライバーやライダーがパワーをコントロールできるようにならないとダメなんでしょうね。
いくら排気量がある車両でも、信号無視をしたら危険。
排気量がない車両でも、信号無視をしたら危険。
結局、同じところに落ち着いてしまうのが車やバイク。
真の余裕を持って運転したいものです。